経済・調査統計

調査・統計NOW【GDPと日銀短観】

2017.4.3 調査・統計NOW【GDPと日銀短観】

2016年10~12月期の実質GDP(速報値)は525兆円となり、前期比0.3%増、年率換算としては1.2%増となりました。2017年3月の日銀短観の業況判断DI(全産業)は、全国は3ポイント改善 (7→10)、九州・沖縄は5ポイント改善 (14→19)となりました。3か月先の見通しは、全国は6ポイント悪化(10→4)、九州・沖縄は8ポイント悪化(19→11)となっています。

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研究所員が教える経済調査統計ここがPoint!

GDPと日銀短観

《Point1》国の経済規模を示すGDP

GDPは「国内で、ある一定期間に生み出された付加価値の総額」であり、国内総生産とも呼ばれます。このGDPは内閣府が3か月に1度公表しており、一国の経済規模を把握するうえで非常に重要です。また、GDPには「名目GDP」と「実質GDP」の二つがあります。「名目GDP」とは実際の金額を表しており、「実質GDP」はその実額から物価変動要因を除いた金額、つまりデフレやインフレを調整したあとの金額が「実質GDP」です。

《Point2》企業活動を示す「日銀短観」

企業の売上などを把握する代表的な統計が「日銀短観」です。正式には「全国企業短期経済観測調査」という調査で、3か月に1度実施・公表されます。全国約1万社にアンケート調査を行い集計する調査で、信頼性の高い調査として広く使われ、日本だけでなく、日本に投資している世界の投資家も注目しています。株式市場にも大きな影響を与えるため、調査の公表は、日本の株式市場が開く直前の8時50分に行われます。

景気とは?

新聞や雑誌、テレビなどで“景気”という言葉に触れることが多くあります。“景気”という言葉には様々な意味が含まれており、国・地域のGDPの成長率や経済全般の動向を示すこともあれば、身の回りの商売のことや世間の雰囲気などを示すこともあります。一般的には、それらの多様な側面を総合した「経済活動の勢い」を示すと言って良いでしょう。

国・地域の経済活動全般の動きを示すGDPは、全国平均で約2~4カ月遅れ、地域平均で2年以上遅れて公表されます。その ため「今」の経済の動きは、経済の動きに敏感ないくつかの指標から判断しなければなりません。

DIとは?CIとは?
景気動向指数の推移

景気を全般的に把握できる最もメジャーな指標は「景気動向指数」です。景気動向指数は、生産(工場の製造の動き等)、消費(モノ、サービスの売れ行き等)、雇用(求人、失業率等)、投資(企業による設備投資や公共工事等)に関連する代表的な指標を組み合わせて、景気を「総合的に」みるものです。

ところで、経済・景気に関する新聞記事で「DI」「CI」といった言葉を目にしたことはないでしょうか。DIはDiffusion Index、CIはComposite Indexの略でいずれも様々な経済指標を合成したものなのですが、意味が異なります。

DIは、構成する指標が「3カ月前に比べ良くなったか否か」をカウントし集計したもので、景気の方向性や景気がどれくらいの分野に波及しているかを示すものです。例えば、10の指標のうち6指標が3か月前に比べ良くなっていれば、DIは60%となります。半数の50%を上回った場合は、景気は回復局面に入った、などと判断されます。

 一方、CIは、構成する指標の「変化率」を合成したものです。DIは「良くなったか否か」をカウントするため、1%良くなっても、20%良くなってもDIの変化は同じですが、CIは、その変化幅を指数に反映します。つまり、景気がどれくらいの勢いで変化しているか、といった「量感」を示すことができる指標なのです。ちなみに、日本政府の景気判断は、このCIをもとに行われています。上図は景気動向指数(全国)の推移をみたものです。例えば2008年のリーマンショックの際、指数が大きく下落していることがわかります。過去の落ち幅に比べ非常に大きいことから、リーマンショックは過去に類をみない景気後退だったことがわかります。

ポイントは「生産(投資)」「所得」「消費」
「生産(投資)」「所得」「消費」

景気は様々な角度から分析、把握されますが、なかでも「生産(投資)」「所得」「消費」の動きがポイントとなります。一般的に、(1)生産(生産するための投資)の増加、(2)個人、企業所得の増加、(3)消費の増加が同時に起こっているとき、「景気は良くなっている」と言われます。

この3つは、互いに密接な関係にあります。例えば、(1)の企業の生産(企業活動)が良くなれば、そこで雇われる人が増え、給料が上がりますので、(2)の個人、企業所得が良くなります。個人、企業所得が良くなれば、それだけモノをたくさん買うことができるようになり、(3)の消費が増加します。消費が増加すれば、商品がもっと必要になりますので、(1)の生産が増加する、という仕組みです。